- 公開日:
エクセルで不偏分散を求める方法
エクセルには統計的な計算ができる関数が複数あります。
この記事では、エクセルでデータのばらつきを示す数値である不偏分散を求める方法をご紹介します。
不偏分散についての基本的な知識についてもご紹介しています。
不偏分散とは?
不偏分散とは統計的な調査で使われる指標です。
分散とは「データのばらつき具合」を指す値で、不偏分散とは「標本データのばらつき具合を計算して、元のデータの分散を推定するのに使う指標」を指します。
標本とは、データの集団(母集団)から抜き出した「一部のデータ」を指します。
例えば、「日本の中学1年生の身長のばらつき具合」を調査するために「東京都の中学1年生」の身長を計測した集めたデータが「標本」になります。
標本から「実際に日本の中学1年生の身長を調査した場合の"身長のばらつき具合"」を推測するために必要な指標が「不偏分散」の値です。
つまり、不偏分散を使えば元々の母集団データにどんな傾向があるのかを推測することが出来ます。
エクセルで不偏分散は求められる?
上記は不偏分散の通常の公式です。
エクセルには不偏分散を求めるVAR.S(バリアンス・エス)関数があります。
VAR.S関数の書式は、「=VAR.S(数値1,[数値2],…)」です。数値の引数に不偏分散を求める値のセル範囲を入力します。
VAR.S関数はExcel 2010以降で使える関数です。Excel 2007以前との互換性を維持したい場合はVAR関数をお使いください。書式はVAR.S関数と同じです。
エクセルで不偏分散を求める方法
エクセルでVAR.S関数を使って、不偏分散を求める方法をご紹介します。
任意のセルに「=VAR.S(A2:A14)」と入力し、Enterを押します。
不偏分散の値が求められました。
今回は「213.7308」となりましたが、分散は相対的に値が大きいほどデータのばらつきも大きいという解釈になります。
つまり不偏分散であるため、「母集団データの値のばらつきが大きい」と推測できます。
反対に値が小さい場合はばらつきが小さく、多くの値が平均値に近い値であるという解釈が可能です。