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偏差値とは?エクセルで偏差値の簡単な求め方(関数での計算方法)

高校や大学の志望校を選択する際、客観的な学力を判定する数値として(学力)偏差値があります。模試の結果などで偏差値が書いてありますが、偏差値の意味やどのように計算するかご存知でしょうか?

偏差値とは何なのか、偏差値の計算方法をExcelの関数と数式を使って簡単に求める方法をご紹介しています。

偏差値とは何か?

偏差値の意味

偏差値(へんさち)とは、平均点を50としたとき、自分の得点が全体の中でどれくらいの位置にいるかを数値で示したものです。日本では、平均点が50、標準偏差が10になるように変換して求めます。

偏差値とは

平均点を取ると偏差値は50になり、平均点より高い点数を取れば偏差値は70のように50より大きくなります。一方、平均点より点数が低ければ偏差値は30のように50より小さくなります。

偏差値のメリット

受験したテストによっては平均が違ったり、受験者の得点にもばらつきがあります。そのようなとき、偏差値を使うことで自分の客観的な学力を知ることができます。

偏差値のメリットしては以下のようなものがあります。

  • 集団の中での自分の位置を知ることができる
  • 平均点の異なるテストの結果を比較できる
  • 得点のばらつきが異なるテストの結果を比較できる

偏差値の注意点

偏差値は便利な面もありますが、下記のケースでは偏差値に意味が持ちづらくなります。

  • そもそも受験者数が少ない場合(100名程度など)
  • 問題が優しすぎたり、難しすぎたりする場合

偏差値の公式(計算式)

日本における偏差値を求める計算式は以下の通りです。

偏差値の公式

偏差値は「(データ − 平均値) × 10 / 標準偏差 + 50」の計算式で求めることができます。

Excelでは平均値と標準偏差はそれぞれAVERAGE(アベレージ)関数、STDEV.P(スタンダード・ディビエーション・ピー)関数で求めることができます。関数で求めた結果を数式に入れて計算すれば偏差値を求めることができます。

Excelで標準偏差を求める方法は以下の記事で詳しく解説しています。標準偏差を散布図、棒グラフ、正規分布曲線として表す例も紹介しています。

標準偏差をエクセルの関数で求める方法とグラフの作り方(散布図)

偏差値と正規分布曲線

平均が50、標準偏差が10の正規分布曲線は以下のグラフになります。

偏差値の正規分布

Excelで正規分布曲線を描くにはNORM.DIST関数を使用します。NORM.DIST関数は、指定した平均と標準偏差に対する正規分布の値を返します。その結果を散布図としてグラフにしています。

手順で使用するフォーマットのダウンロードはこちら

Excelで偏差値の出し方(関数と数式を使用)

Excelを使って偏差値を求める手順を解説します。Excelには偏差値を計算する関数はありません。複数の関数と数式を組み合わせます。

得点を用意する

まず偏差値の元となる得点を用意します。例ではA~Eまでの点数をそれぞれ入力しています。

平均を求める

5人の点数の平均を求めます。C8セルを選択し、『=AVERAGE(C3:C7)』と入力します。AVERAGE関数は、引数の平均値を返します。数式を確定するために【Enter】キーを押します。

標準偏差を求める

5人の点数の標準偏差を求めます。C9セルを選択し、『=STDEV.P(C3:C7)』と入力します。STDEV.P関数は引数を母集団全体であると見なして、母集団の標準偏差を返します。数式を確定するために【Enter】キーを押します。

偏差値を求める

平均と標準偏差を求めたのでAさんの偏差値を求めます。D3セルを選択し、『=(C3-$C$8)/$C$9*10+50』と入力します。平均と標準偏差であるC8、C9セルは固定なので絶対参照にします。数式を確定するために【Enter】キーを押します。

オートフィルで数式をコピーする

他のセルに数式を反映するためD3セルの右下をD7セルまでドラッグしてオートフィルで数式をコピーします。

偏差値の計算結果

D3~D7セルに偏差値の結果が表示されました。このようにAVERAGE関数、STDEV.P関数と数式を組み合わせることで偏差値を求めることができます。

偏差値に関するよくある質問

偏差値の平均はどのくらい?

偏差値の平均は50になります。

偏差値の平均

偏差値の平均をExcelで計算してみます。上図ではH2セルに『=AVERAGE(D3:D7)』と入力しています。データの偏差値の平均を求めると「50」になることがわかります。

偏差値60以上は全体の何%?

偏差値が正規分布にしたがう場合、偏差値60以上は全体の何%でしょうか?上位からどれくらいの位置にいるのか求めてみましょう。

偏差値の割合

Excelで偏差値60以上の割合を求めるには上記で作成した正規分布を使用します。上図ではG19セルに『=1-NORMDIST(60,$B$3,$C$3,TRUE)』と数式を入力しています。

偏差値60以上の割合は約15.9%という結果になりました。1000人受験したテストだったら160番以内にいるということがわかります。

偏差値と上位からの割合を下記の表にまとめました。※偏差値は小数点第2切り捨て

偏差値 上位からの割合 順位(1000人中)
偏差値30 97.7% 977位
偏差値40 84.1% 841位
偏差値50 50.0% 500位
偏差値60 15.8% 158位
偏差値70 2.2% 22位

偏差値の最高は100?最低は0?

偏差値の最高は100とは限りません。100を超える場合もあります。同じく最低は0を下回りマイナスになることもあります。

ただ現実にはこのような結果になる確率は低いです。

偏差値の最高

例えば上図のように1人だけ100点、他は0点の場合、偏差値が100を超える可能性があります。

偏差値の最低

同じように上図のように1人だけ0点、他は100点の場合、偏差値がマイナスになる可能性があります。

偏差値を10、20上げるには

偏差値を上げるためにはテストにおいて点数を高くする必要がありますが、偏差値の意味から考えると平均点よりいかに点数を取るかになります。

例えば基礎的な内容の取りこぼしやケアレスミスを減らしたり、受験生が間違いやすい問題を正解できるようにするといったことが挙げられます。