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エクセルで検量線を作成する方法
検量線は、物質の濃度とその測定値の関係を示すグラフであり、分析化学などの分野において正確な分析結果を得るために必要不可欠なものです。
この記事では、エクセルで検量線を作成する方法をご紹介します。
検量線の評価方法についても簡単にご説明します。
検量線とは?
検量線とは、あらかじめ濃度などがわかっている物質と測定データとの間の関係を示したグラフです。
その関係性を基準に、濃度が分からない物質の濃度を予測する際に使用します。
例えば、ある物質の水溶液中の濃度は吸光度(溶液に吸収される光の量)と比例関係になっています。
その性質を利用して、ある物質の濃度を知りたい場合にすでに濃度が分かっている物質の吸光度を求めてから、濃度が未知の物質の濃度を予測します。
検量線は水溶液中の濃度を変えてそれぞれの吸光度を測定したもので、物質の濃度を予測できます。
エクセルで検量線を作成する方法
エクセルで検量線を作成する方法をご紹介します。
上記のような表を用意します。
①表、②「挿入」タブの順に選択します。
③「散布図(X, Y)またはバブル チャートの挿入」、④「散布図」の順に選択します。
散布図が作成されました。
①データ系列を右クリックして、②「近似曲線の追加」を選択します。
画面右側に「近似曲線の書式設定」画面が表示されます。
①「線形近似」を選択します。
②「グラフに数式を表示する」、③「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックマークを入れます。
以上の操作でエクセルで検量線が作成できました。
決定係数の評価について
R2は決定係数といい、予測が実際の数値に対してどれくらい当てはまっているか(ズレが少ないか)を客観的に判断した数値になります。予測値が1に近づくほど「当てはまりがいい」と解釈します。
基本的には「0.99以上」、さらに精密な分析の場合は「0.999以上」になれば良好な結果だと判断できます。
例えば上記の検量線グラフの場合は決定係数が「0.9844」ですので、「1」には近いですが良好な結果とは言えないと解釈します。