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ExcelでLET関数の使い方|定義した名前に値や数式を保存する
2020年3月17日、Excelに新しく「LET(レット)」関数が発表されました。LET関数は関数内で定義した名前に値や数式、セル参照を保存して計算に使用することができます。プログラミングの変数に似ていますね。
一般公開は2020年後半を予定されていますが、Office Insidersに参加すれば試すことができます。記事の下部でOffice Insidersへの参加方法を説明していますので興味がある方はご参考ください。
以下の記事では、LET関数の基本的な使い方を紹介していきます。
LET関数とは?
LET関数は、関数内で名前を定義して値や数式、セル参照を保存することができ、定義した名前を使って計算に使用することができます。
例えば上図の場合、「x」と「y」という名前をつけた箱があります。それぞれの箱には「10」と「5」を入れました。xとyを足すとき、両方の箱に入っている値を計算に利用することができます。
箱に値を入れておくことで再利用することができます。
LET関数のメリット
LET関数には以下の2つの利点があります。
数式が読みやすくなる
1つの数式の中で同じセル参照や式を複数書く必要がなくなりました。
パフォーマンスの向上
1つの数式に同じ式が複数あっても名前を定義して再利用できることで1回の計算で済むようになりました。
LET関数の書式
まずは、LET関数の書式を確認していきましょう。
LET関数の書式は「=LET(名前1,名前値1,計算または名前2,[名前値2,...)」のように記述します。最後の引数には、「計算」を指定する必要があります。
「名前」と「値」の組み合わせは少なくとも1つは定義し、最大126個まで指定することができます。
引数名 | 説明 |
---|---|
名前1(必須) |
1つ目の名前を定義します。英字、ひらがな、カタカナ、漢字、記号を指定します。 数字は名前の先頭以外でセル番地(A1など)にならなければ使用できます。 |
名前値1(必須) | 名前1に値や式、セル参照を指定します。 |
計算または名前2(必須) | 関数内で定義された名前を参照した計算、もしくは2つ目の名前を定義します。 |
名前値2,…(省略可能) | 名前2に値や式、セル参照を指定します。 |
LET関数の基本的な使い方
実際にLET関数を使用する例をご紹介します。引数をどのように使用するか試してみましょう。
上図ではA、B、Cの3人の教科別の点数がデータとしてあります。3名の国語の平均をLET関数を使って求めます。G2セルを選択し、『=LET(』と入力します。
平均は「合計/3」で求められるので合計を定義します。「=LET(」に続き『合計,』と入力します。この「合計」が定義した名前になります。
定義した「合計」に格納する値や式、セル参照を指定します。ここでは3名の合計を格納したいのでSUM関数を使用します。「=LET(合計,」に続き『SUM(B3:D3),』と入力します。
定義した「合計」を使用して平均を計算します。「=LET(合計,SUM(B3:D3),」に続き『合計/3)』と入力し、【Enter】キーを押します。
G2セルにLET関数を使った国語の平均が求められました。
互換性の注意
現時点(2020年3月25日時点)ではLET関数はまだ一般公開されていないので、他の方にブックを共有するときはLET関数が入っていないかを確認してください。
LET関数を利用するためのOffice Insidersへの参加方法
Office Insidersとは、一般ユーザー向けのOffice製品の最新版の機能をいち早く利用できるプログラムです。Office 365 Soloとパソコンにプリインストール版のOffice Premium製品を契約中の方が利用が可能です。
まずExcelを起動した画面で左下の【アカウント】を押します。
【Office Insiders】を押し、【レベルの変更】を選択します。
【新規登録して、Officeの新しいリリースをいち早く入手します】をチェックし、Office Insider レベルの選択から【Insider】を選択します。【このプログラムへの参加を規定する・・・】をチェックし、【OK】ボタンを押します。
言語とインストールのオプションを開き、【Office Insider 64ビット】を選択し、【インストール】ボタンを押します。セットアップファイルがダウンロードできたら【ダブルクリック】して起動します。
Office Insidersに対応したExcelがインストールされます。
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