Windowsでショートカットを相対パスで作る方法

例えば、USBにファイルのショートカットを入れて、他のPCにそのUSBを差し込み、ショートカットからファイルにアクセスしたいとします。

しかし、通常ショートカットは絶対パスで作られており、PCのユーザー名が変わるとショートカットが使えなくなってしまいます。

このような場面で役立つのが、ショートカットを「相対パス」で作成する方法です。本記事では、そもそもパスとは何なのか？というところから、作成方法を紹介していきます。

パスとは？

「パス」とは、ファイルやアプリケーションがどこにあるのかを示す経路のことを言います。

上記画像は「テスト.txt」というファイルのプロパティです。

「場所」の横を見てみると、なにやら長い英単語が記されています。

この「C:\Users\ユーザー名\Desktop\memo\テスト.txt」という英単語の羅列が、ファイルの場所を示すパスです。

パスの先頭にある「C:」は、ローカルディスクを指します。

実際にエクスプローラーでローカルディスクを見てみると、名前の横に（C:）と表示されていることが分かります。

例えば、ローカルディスク（C:）→ユーザー→ユーザー名→デスクトップ→memoの順でフォルダを辿っていくと、先ほどの「テスト.txt」というファイルに辿り着きます。

パス = ファイルの場所を示したものと簡単に覚えれば良いでしょう。

パスには「絶対パス」と「相対パス」があり、それぞれ特徴が異なります。以下で簡単に解説します。

絶対パスとは

絶対パスとは、ファイルの場所を1つ1つ最初から最後まで記述する方法のことを言います。

例：C:\Users\ユーザー名\Desktop\memo\テスト.txt

上記の例のように、フォルダの階層を1つ1つバックスラッシュで区切って記述します。

Windowsでファイルやアプリのショートカットを作成すると、絶対パスで作成されます。

絶対パスにはPCのユーザー名も記述されるため、ユーザー名が異なると他のPCからアクセスできなくなる問題が生じます。

作成したショートカットをUSBなどを使って別のPCに移したいときは、以下の「相対パス」でショートカットを作成することをおすすめします。

相対パスとは

相対パスとは、ファイルの位置を起点として記述する方法のことを言います。

例：.\memo\テスト.txt

ファイルの相対的な位置を示せば良いため、絶対パスとは違い、フォルダの階層を1つ1つ記述することはありません。

ファイルの位置さえ変わっていなければ、別のPCからでもファイルにアクセスすることができます。

Windowsのショートカットは通常絶対パスで作られますが、簡単な方法で相対パスに変更することができます。

Windowsでショートカットを相対パスで作る方法

ここでは、デスクトップに「memo」というフォルダを作成し、その中に「テスト.txt」というテキストファイルを入れました。

そして、テスト.txtを開くショートカットである「テスト.txt - ショートカット」ショートカットを作成しました。

Windowsのデスクトップにショートカットを作成する方法が分からない場合は、まず以下の記事を参考にショートカットを作成してください。

Windows 10で様々なショートカットアイコンを作成する方法

今回は例として、「テスト.txt - ショートカット」を相対パスにする方法を紹介していきます。

①相対パスにしたいショートカット（例：テスト.txt - ショートカット）を右クリックし、②「プロパティ」を選択します。

「プロパティ」ダイアログボックスが表示されます。

この画面には、ショートカットのパスが表示されます。「リンク先」を見てみると、1つ1つ場所が示された絶対パスになっていることが分かります。

早速、相対パスに変更してみましょう。

「リンク先」にあるパスを、以下のように変更します。

%windir%\explorer.exe "相対パス"

ここでは例として、「%windir%\explorer.exe ".\memo\テスト.txt"」のように変更しました。

パスの先頭に「%windir%\explorer.exe」を追加してエクスプローラーを指定したうえで、相対パスを指定します。

フォルダの中に元ファイルがある場合は、「.\フォルダ名\元ファイル」のように指定しましょう。

①「作業フォルダー」を空欄にし、②「OK」ボタンを押します。

ショートカットを相対パスにすることができました。相対パスにすると、アイコンもエクスプローラーのような表示に変わります。

あとは、ショートカットから元ファイルを開けるかどうか確かめてみましょう。

ショートカット（例：テスト.txt - ショートカット）を選択します。

このように問題なく元ファイルを開くことができれば、ショートカットを相対パスで作成する手順は完了です。